“料理の先生”を一生の仕事に

家庭料理教室「Relish」主宰 石井美音さん

インタビュー連載 第3回

今月のサロネーゼは、大阪市内で家庭料理教室「Relish」を主宰する石井美音さん。 旅を愛する石井さんが世界各国で学んだ料理や和食、パンやお菓子など、アットホームな雰囲気のなか楽しみながら本格的に学べると評判を呼び、レッスンはいつもにぎわっています。 7月末に開催されたレッスンに伺った模様と石井さんのインタビューを4回にわたりお届けします。 第3回目はお教室の開催情報やはじめたきっかけを伺ったインタビュー前半です。

掲載日:2016/8/22(月)

石井美音さん

石井美音さん

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お教室の開催情報


――楽しいレッスン、お疲れ様でした!とても細やかで段取りがよくて、ぎゅぎゅっと知りたいことが詰まった充実のレッスンでした!
たくさん伺いたいのですが、まずレッスンの開催情報を教えてください。


石井さん  ありがとうございます!
レッスンは、月ごとにテーマを決め毎回4~5品を実習します。実習は難しいことはお願いしませんので、初心者の方も安心して参加していただけます。

開催回数は月平均25回ほどで、お昼と夜、1日2回開催することもあります。
料金は内容により多少変動しますが平均5,500円、特別講座以外は5人までの少人数制でアットホームな雰囲気でレッスンしています。

今年からは、月のうち3週間はその月のテーマを、そして最後の1週間は今日のようなアンコールレッスンなど、特別講座も開催できるようにしています。
豆腐尽くしのメニューや、簡単で美味しくできるお菓子、最近では、話題のスーパーフードをテーマに外部の先生を呼んでコラボレッスンをしたりしました。


石井美音先生1

これまで様々な国・地域の料理と食文化を紹介。料理技術だけでなく幅広い知識が学べます。


――月ごとのテーマは、実際に旅した国々のお料理なのですね。

石井さん  私は旅行が大好きで、行けば必ず現地の料理教室や家庭で料理を学んできますので、それを研究したりアレンジしてご紹介しています。
これまで、イタリアン、フレンチ、エスニック、韓国料理、中華料理・・・いろいろなテーマで開催してきました。

8月は、先月アジア5ヶ国を周遊してきて美味しい!と思ったカンボジアのクメール料理をテーマにします。9月はトルコ料理です。

――毎月お教室で海外旅行ができるようで楽しいですね。

石井さん  生徒さんにもそう言ってもらい、楽しんでいただいています。
もちろん和食のレッスンもあります。ちょうど今月は「九州の郷土料理」がテーマでした。

熊本・大分の地震が起こる前に九州を旅してきたので企画していたのですが、地震のこともあり、あまり前面には出しませんでしたがチャリティレッスンとさせていただきました。


なによりもまず、「お料理を楽しんでもらうこと」


――毎回レッスンの最初に、テーマの国や地域の知識を学べるのはとても良いですね。

石井さん  毎回その地域と周辺の地図をお見せして位置を確認していただき、気候風土、歴史、料理の由来などをお伝えしています。
こうしたことは食文化の成り立ち上とても大切で、そのお料理の背景を伝えないと、なぜそれがそこで食べられているのかがきちんと伝わないと思うのです。

――その通りだと思います。その食文化が生まれた背景もきちんと知ることでそのお料理に一層興味がわき、理解が深まりますね。
生徒さんはやはり海外旅行がお好きな方が多いのでしょうか。


石井さん  そうですね、海外に限らず旅行が好きな方が多いですが、幅広い方々にお越しいただいています。大学生から70代のベテラン主婦の方までいらっしゃいますが、中心は20~40代のOLさんや主婦の方です。
明るくて楽しい、素敵な生徒さんばかりなのが自慢です。


石井美音先生2

料理の背景にある食文化の説明もしっかりと。コツもたっぷりで料理の楽しみが深まります。


――お教室のコンセプトはなんでしょう。

石井さん  なによりもまずはお料理を楽しんでもらうこと!です。

毎日お料理を作るなら、嫌々作るよりも楽しみながら作った方がずっと幸せですよね。
レッスンに通い始めてから「楽しいと思えなかったお料理が楽しくなった」「教室で習ったレシピで、家族に美味しいね、って言われてからお料理が好きになった」などの声を聞ける瞬間が嬉しく大切に思っています。

世界各国のお料理をお伝えしていますが、日本の家庭で作りやすいレシピにアレンジし、そのお料理の背景やエピソードも一緒にお伝えしています。
生徒さんのご家庭の食卓に、お料理とともにそんな話題ものぼると嬉しいです。

また、旬の野菜はできるだけ岐阜の実家の安心なお野菜を使うようにしています。


料理は一生の仕事


――お教室をはじめたきっかけを教えてください。

石井さん  私は岐阜の田舎で育ったので、”おばあちゃんの料理”にとても親しみがあり、小さい頃からよく手伝いをしていて料理が大好きでした。

農家でしたので、祖母は採れた野菜や残った野菜を捨てることなく、長期に保存するために塩漬けにしたり、漬物にしたり、ジャムにしたりと全てを上手に使い切り、おまんじゅうや草もちなど季節のお菓子を作ったり・・。それを間近に見てきました。

でも都会に憧れ、都会の大学に行きそのまま広告代理店に就職しました。
12年くらい勤め、仕事は大好きでしたが営業だったので徹夜もよくあり、とにかく忙しくてだんだんと体力の限界を感じるようになったんです。
30才を越えた頃、好きな仕事ではあるけれどこのままずっと続けられるかな、結婚や子どもは・・・と考えたときに、両方成り立たない業界にいるな、これは一生の仕事じゃないかも・・と思い始めました。

そんなとき、リーマンショックがあって、初めてちゃんと週末に休みがとれるようになったのです。
それまでは週末もイベントなどで出勤していましたが、「あれ、週末に時間がある、好きなことができる!」と思い、それまであきらめていた料理教室に通い始めました。

料理研究家コースがある教室で実技と講義をみっちり学んだのですが、そちらの先生は自分の母と同じくらいの年齢の方でした。当時私と同じくらいのお子さんもいらっしゃると聞き、改めて「料理の先生って一生できる仕事だ!いつかできるといいな」と思いました。

そう思ったら止められない性格でして(笑)、もう仕事に身が入らなくなってしまって、「いつかじゃなく今やらないと!」と。でも会社は忙しくてなかなか辞めにくくて・・そこで、行きたかったイタリア料理留学を先に決めて、「9月末にはこの学校に入るので、9月20日付けで辞めます!」と言って、引継ぎをして辞めて・・それが2009年でした。

料理留学前から友人を対象に教え始めましたが、帰国後は本格的に始めよう、そう決めて留学しました。


石井美音先生3

「料理を一生の仕事に。」決心したら即行動!幼い頃から学び続けた料理の大切さも伝えたい


――思い立ったら即行動、すごいですね!料理留学ですが、イタリアに行かれたのはなぜですか?

石井さん  大学生の頃始めて行って大好きになり、お金を貯めては1年に1回行っていました。

一時ベネチアングラスにはまったことがあり、すごく素敵なポットとグラスのセットを見つけて欲しくて欲しくてたまらなかったのですが、でも大学生ですからお金を貯めて旅行に行くのが精一杯、とても高価で買えないですよね。
でもあきらめきれなくて、お店の人に「必ず毎年来るから、その都度買わせてください」とお願いして、毎年行くごとに少しずつ買い集めていました。お店の方は私の熱意に負けたようで、今から思えばよくやったなと思います(笑)。
イタリア料理も風土も人も大好きで、いつか長期で滞在したいとその頃から思っていました。

――そうだったのですね。行ってみていかがでした?

石井さん  イタリアの人って家族との時間や一緒に食卓を囲むことをとても大切にするんですよね。そんな生活の姿に触れて、「今まで私は何を追いかけてきたのだろう」と思い、人生を振りかえっていろいろなことを考え、意識の大きな転換になりました。
行って本当に良かったと思います。


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ふるさとの豊かな恵みである旬の野菜を使い切る”おばあちゃんの料理”、そこに伝わる行事食を大切にする環境で育ち、ずっとお料理が大好きだったという石井さん。料理と愛する旅が仕事につながる”料理教室の先生”は、まさに天職なのかもしれません。
どの国のお料理を伝えるときも、「その地域の食文化へのリスペクト」を強くお持ちなことを感じ、また、それが多くの生徒さんにる支持されている理由のように思いました。

次回は、イタリアで得た大きな意識の転換のお話や、お教室運営で心がけていること、これからの夢を伺ったインタビュー後半をお届けします。
どうぞお楽しみに!

インタビュー・テキスト=窪田みゆき写真=伊藤祐司



プロフィール
石井美音さん

石井美音さん

絵本に出てくるお菓子に憧れ、農家の片隅の台所でフライパンを手にした子供の頃からお料理が大好き。
大学卒業後、広告代理店でキャリアウーマンをすること10数年。
料理研究家の先生のもとで料理を学ぶうちに、やはり料理が大好きな気持ちを諦められず退社、イタリア・フィレンツェへ料理留学。
その後、自宅マンションで少人数制のアットホームな料理教室を主宰しています。
「料理と旅」を愛するため、国内はもちろん、イタリア、スペインなどヨーロッパ各国やアジアを中心に海外で料理を学び、現地のお料理を毎日の食卓に簡単に取り入れられるアレンジを、旅のお話も交えて紹介しています。

サロン情報

家庭料理教室「Relish」

まずは料理を楽しむこと!を目標に、特別な食材がなくても、身近な食材、旬の食材を取り入れることによって、簡単で美味しく、見栄えのするお料理を中心にレッスンしています。
「料理と旅」が大好きなため、国内はもちろん、イタリア、スペインなどヨーロッパ各国やアジアを中心に海外で料理を学び、現地のお料理を毎日の食卓に簡単に取り入れられるアレンジを、旅のお話も交えて紹介しています。
食材はできるだけ、岐阜の実家の農家で作られる安心な食材を採用しています。
また少人数制でアットホームな雰囲気で、ゆっくりとお料理しながら、お話しも交え、楽しい時間を過ごして頂いています。

ジャンル:

家庭料理、日本料理、イタリアン、フレンチ、中華、韓国、スペイン、エスニック、洋菓子、おもてなし

所在地:

大阪府大阪市福島区

ホームページ、ブログ:
http://www.relish-web.jp/

プロフィールはこちら

レシピ

バスク風あさりご飯
バスク風あさりご飯
(4人分)
・米(洗わない) 2合
・玉ねぎ(みじん切り) 中1個
・ニンニク(みじん切り) 1片分
・イタリアンパセリ(みじん切り) 適量

・あさり(砂抜きしておく) 300g
・白ワイン 50cc

・魚のスープ 720cc

・オリーブオイル 大さじ3 ・塩 小さじ1/2弱
・こしょう 適量

作り方
  1. 厚手のなべにオリーブオイルと玉ねぎを入れ、透明になるまでゆっくり炒めた後、ニンニクを入れて弱火で炒める。
  2. 1にお米をいれ、オイルとからめながら炒めたら、温めた魚のスープを回しかけ、塩、こしょうを加えて混ぜ、沸騰したら火を中火の弱火にし、そのままフタをせずに17分間炊く。
  3. 米を炊いている間、別のフライパンにあさりを入れ、上から白ワインをふりかけ、アサリの口が開いたら火を切る。
  4. 炊き上がった2に3を汁ごと回しかけ、イタリアンパセリも加えてさっくりと混ぜたら、フタをして5~10分ほど蒸らして出来上がり。

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